Vol.50
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最後のバレー人生を懸けるのバレー人生終わっちゃう」と。それで、10元メダリストなんだからバレーの勉強をしっかりやっておこうと思ったんです。―石田さんのコーチとしての役割とは?私は長野大学の監督も兼任していて、うちの卒業生がちょうど今年ルートインに入社したんです。「厳しい社会だよ」「来年ポジションないかもよ」と伝えたうえで、彼女はすごく努力をしてくれました。私の役目はスカウティング(対戦相手の分析)だったり、そうした大学と社会とのパイプ役、地域と繋がっていくことかなと思っています。また、選手一人一人としっかり会話をして、どんな選手なのかとか、私にできることはあるかな?というのを見ています。データバレーの時代なので、データもありますし、まずは選手が重要。アスリートファーストだと思います。間違っていることは別として、彼女達がこうしたいということがあればそれを尊重したいですね。―直近の目標と、それを達成するために必要なことは何だと思いますか?やっぱり昇格ですね(ブリリアントアリーズは昨年Vリーグライセンスを取得し、今季からV2リーグで戦っている)。いずれ(トップリーグの)V1も夢じゃなくなる。でも「V1はそのうち…」と選手が言っているようでは難しいです。目標達成に必要なことは“プロ意識”。技術を持っている子はたくさんいますし、サマーリーグを見た時に勝負●コーチに至る背景今回は元バレーボール選手でロサンゼルスオリンピックの銅メダリスト、石田京子さんにインタビュー。現役時代の裏話から現在の活動、選手への想いについて赤裸々に語っていただきました。  の4月1日付でルートインホテルズの女―本日はよろしくお願いします!今年子バレーボール部「ブリリアントアリーズ」のコーチに就任された石田さんですが、まずはその経緯について教えてください。長野大学とも交流のあった地元上田市にVリーグチームが誕生したことがきっかけです。私は以前、実業団のチームを作ろうとしたことがあるんですが、子供が小さかったり病気もしたりで志半ばで人に預けた経緯があるんです。だから、これはチャンスだ!と。―石田さんは家事・子育てをしながら一念発起して大学に通い、現在は長野大学の教授でもいらっしゃるんですよね。その原動力は何だったのでしょう?私は高卒でオリンピックに行きましたが、指導者としては何も知らなかったんです。周りに大学出身者が増えてきて、専門用語がちらっと出てきた時に「何それ?」と思ったことがあって。今の子達はそういうことを学んでバレーをやってるんだと思ったら、大阪で根性バレーをやってきただけの自分とあまりにもかけ離れているな、と。お金をいただくためには、いろんな意味でバレーのすべてがわかっていて初めて指導者だと思いました。それでまずは日体協(日本体育協会)公認のコーチの資格を取ったんです。大学に通っていたんですが、家から大学までは片道3時間!「子供を放っておいて何様?」って随分言われましたけど、私の人生でしょって(笑)。10年くらいは(実家が営む)民宿と農業の仕事もやっていましたけど、「これだけじゃだめだ、私ルートインホテルズ ブリリアントアリーズコーチ(長野大学バレーボール部兼任)vol.16石田 京子(現姓:野口)

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