Vol.49
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情緒豊かな倉敷の旅の土地には、訪れてみなければわからない魅力がある。古くから城下町として、また四国・中国地方への交通の要衝として栄えてきた岡山。三名園の一つ、後楽園や日本100名城の岡山城といった名所に加え、瀬戸内海を含む豊かな自然に恵まれている。なかでも、昔ながらの町並みが残る「倉敷美観地区」と呼ばれるエリアは全国的にも有名な人気の観光スポットである。この地は、江戸幕府の直轄地「天領」に定められた際に倉敷代官所が設けられ、瀬戸内の水運を利用した物資の流通拠点として大きな発展を遂げた。倉敷という地名も、物資を一時的に保管する場“倉敷地”に由来する。なんとも風情漂う倉敷川畔の柳並木や街道にかけて立ち並ぶ白壁、特徴的な格子のなまこ壁を施した屋敷、蔵の数々は、いずれも倉敷を象徴する景色だ。また、日本最初の私立西洋美術館である大原美術館や旧倉敷紡績工場(現クラボウ)を改修・再利用した複合文化施設など明治・大正期の洋風建築物も見られ、和と洋が織り成す町並みも見どころの一つとなっている。いつかの時代にタイムスリップしたようなノスタルジックな雰囲気で、川舟に乗ってその景観を眺めることもできる。 そ温暖な気候から〝晴れの国〟と称される岡山。景観、歴史、文化、グルメといったあらゆる旅の欲求を満たしてくれるこの地を、次なる旅先の候補にぜひ加えてほしい。特集104

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